裁判所による法的措置には様々なものがありますが、多くは時間のかかるものです。我々が裁判を起こしてから判決が出て確定するまでには、通常数ヶ月から数年もかかってしまいます。しかしそれでは現に生じている被害の予防や回復が不可能になってしまうかも知れません。そういう場合に用いられるのが仮処分(かりしょぶん)という措置です。
 仮処分は、債権者の申立てにより、民事保全法に基づいて裁判所が行う取りあえずの措置です。例えばインターネットの掲示板に実名入りで誹謗中傷されてしまい、プロバイダが削除要求を受け入れない場合、裁判所に削除を求める訴訟を起こすとともに、掲載禁止の仮処分請求をすることができます。仮処分は一時的な処置ですが、訴訟よりも簡易迅速に目的の達成を行えるというメリットがあります。
 そうやってとりあえず被害を食い止めた上で必要なら裁判も行うわけですが、その場合は民事裁判と刑事裁判が考えられます。民事裁判での責任追及には複数あります。その一つは差し止め請求です。差し止め請求は、他人の行為により権利が侵害されている場合や、その虞れがある場合に、その行為をやめるよう請求するものです。ネットの掲示板の書き込みの場合は、その削除要求をすることができます。2つ目は損害賠償請求です。悪質な書き込みをした相手方や、削除依頼に応じなかったプロバイダに賠償責任を問うことになります。