相続税の申告にあたっては、亡くなった人から受け継いだ課税対象となる財産の価値を正確に評価する必要があることから、国税庁から出された「財産評価基本通達」の条文のなかで、財産の種類にしたがって、その方法が厳密に定められています。
財産の種類が預貯金の場合については、課税時期、すなわち被相続人が亡くなった時点での口座の預入残高と、その時点で口座を解約するとした場合の既経過利息の額を合計したものから、源泉徴収される所得税額を控除した金額によって評価するものとされています。
ただし、この「財産評価基本通達」の「預貯金の評価」の項目には、定期預金、定期貯金および定額貯金以外の預貯金についての例外が設けられています。この規定は、要するにゆうちょ銀行の普通貯金やその他の銀行の普通預金を指したものですが、内容としては、課税時期現在の既経過利息の額が少額なものに限っては、その時点での口座の残高によって評価するというものです。
一般的に、普通貯金などの利子が多額にわたることは想定されず、したがって相続税の納税額に影響を与えるおそれも少ないとみられることから、複雑な計算をせずに残高そのものをシンプルに評価額とすることが、通達として公にも認められているのです。